ワカメは激怒した。
必ず、かの邪知暴虐のイルベルトを除かなければならぬと決意した。
ワカメにはフレンドの作り方がわからぬ。
ワカメは 、ワカメハウスのマスターである。
ホラを吹き、ミニオンをフレンドと言い張って暮らして来た。
けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。
今日ワカメはラウバーンを救出するためにハラタリ修練所にやって来た。
・・・
ワカメは激怒した。
なぜワカメが戦陣を切らなければならないのか。
ワカメにはタンクのやりかたが分からぬ。
ワカメは、脳筋のDPSである。
詩人で歌を吹き、竜騎士で床を舐めて暮らして来た。
けれどもMIPを貰う事に関しては、人一倍に敏感であった。
ワカメは、すぐに出発した。
初夏、満天の星である。
ワカメはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎ・・・
・・・
ワカメは激怒した。
なにこれ難しくない?
もう6回くらい失敗してるんですけれども。
なぜ、おっさん一人を助けるのに6ワカメ以上を捧げなければならないのか。
もうやだ、このクエスト。
けれどもMIPを貰う事に関しては、人一倍に敏感であった。
目が覚めたのは翌る日の薄明の頃である。
ワカメは跳ね起き、南無三、寝過ごしたか、いや、まだ大丈夫、
これからすぐに出発すれば、ラウバーンの命の刻限までには十分間に合う。
ワカメはぶるんと両腕を大きく振って、毒霧の中、矢の如く走り出した。
・・・
・・・
ワカメは激怒した。
見えない壁ですか、そうですか。
人生と一緒ですね。
まさかゲーム内でもブチ当たるとは。
決してマップが読めないとかそんな事ないです。
決してタンクをやらない理由の一つに道が分からないとか
そんな事ないです。
ワカメはすぐにまた先を急いだ。
一刻といえども、無駄には出来ない。
ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠を登り、登り切ってホッとした時、
突然、目の前にユユハセが躍り出た。
ユユハセ「待て。」
ワカメ「何をするのだ。私はラウバーンを助けに行かなければならぬ。放せ。」
ユユハセ「どっこい放さぬ。その命が欲しいのだ。」
ワカメ「さては、イルベルトの命令で、ここで私を待ち伏せしていたのだな。」
ワカメは激怒した。
こいつ・・・
こんな事なら、
あの時、あと10回くらい殺しておけばよかった。
そう思った。
ワカメは再び走った。
路行く人を押しのけ、跳ね飛ばし、ワカメは黒い風のように走った。
小川を飛び越え、少しずつ蔓延していく毒霧の、十倍も早く走った。
イルベルト一団の術士と颯っとすれ違った瞬間、不吉な会話を小耳に挟んだ。
「今頃は、あの男も、毒にかかっているよ。」
ああ、その男のために私は、今こんなにも走っているのだ。
その男を死なしてはならない。
急げ、ワカメ。
遅れてはならぬ。
風貌なんかは、どうでもいい。
ワカメは、いま、ほとんどが全裸体であった。
呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。
最後の死力を尽くして、ワカメは走った。
ワカメの頭の中は空っぽだ。
何一つ考えていない。
ただ、訳の分からぬ大きな力に引きずられて走った。
毒霧がゆらゆらと全体に蔓延しようとした時、
ワカメは疾風の如く刑場に突入した。
間に合った。
ワカメ「待て。その人を殺してはならぬ。ワカメが帰ってきた。約束通り、今帰ってきた。」
と大声で刑場のラウバーン達に叫んだつもりであったが、一人としてワカメの到着に気付かないフリをしている。
ワカメはそれを察してイルベルト達をかき分け、かき分け、かきワカメ。
今年度一のワカメギャグ炸裂した所でラウバーンを救出した。
どっとアルフィノ達の間に、歓声が起こった。
『ラウバーン局長万歳!ワカメ死ね!』
一人の警官が、銀の手錠をワカメに捧げた。
ワカメは、まごついた。
ラウバーンは、気をきかせて教えてやった。
ラウバーン「ワカメ、君は、真っ裸じゃないか。早くその手錠でお縄につくといい。」
ラウバーン「この警官さんは、ワカメの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」
ワカメは、ひどく落胆した。
ランキングに登録したりしてなかったりしてます。
押すとワカメが調子乗るのでほどほどに・・・
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ワカメは激怒した!
ワカメさん激おこプンプンマルっ!
おっさんさん(ラウバーン)助けるために、6ワカメ以上も投じるとは・・・
相当なラウバーン好きなんですね♪